前回は、尿酸の正体とそれに関わる病気についてご説明しました。
肝臓で生成される代謝物の1つで、プリン体を原料とする生命活動に必要な物質ですが、過剰摂取により高尿酸血症や痛風発症リスクの上昇などにも繋がるということでしたね。
今回は、日常生活における尿酸値改善のための方法について解説します。
ビールは尿酸値上昇原因のトップバッター
アルコールが代謝されるときに尿酸値が上がるので、どんな種類のお酒でも尿酸値や痛風には良くありませんが、尿酸の素になるプリン体を含む量は種類によってかなり違います。
ビールには特に多く含まれ、ウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒はあまり含まれていません。サウナ+ビールの組み合わせは大好きな人も多いかと思いますが、脱水とプリン体摂取とにより大きく尿酸値が上昇するため、避けるのが良いでしょう。
これに比較してワインは少し減らすと言う結果が出ているのは興味深いところです。 食事については、肉類（特にレバー）、白子、一部の魚介類 エビ、イワシ、カツオにも多くのプリン体が含まれていますので、極力控えることが推奨されています。
積極的に摂るのが良い飲食物
逆に、推奨されるものの1つが乳製品で、ヨーグルト、特にPA-3株（プリン体に直接作用する可能性がある乳酸菌）を含むものが尿酸値の上昇を抑えることが分かってきています。
その他にも、ルイボス茶は試験管内でプリン塩基を尿酸に変換する酵素であるキサンチンオキシダーゼを阻害することが分かっています（生体内での阻害については明確にはなっていません）。
キサンチンオキシダーゼ活性の減少は尿酸の生産量の減少に繋がるため、痛風治療の手助けになります。
ただ、ルイボス茶に含まれるビテキシンにはヨード吸収阻害作用があり、多飲するとヨード欠乏症状が発現するおそれがあることがラット実験で証明されているため、飲み過ぎないようにしましょう。
軽い有酸素運動も有効
また、軽い有酸素運動などが推奨されています。
激しい運動によるストレスや大量の発汗は真逆の効果となってしまうので、水分を十分に補給して血液中の尿酸濃度を下げるとともに、ウォーキングなどの軽い運動を続けるのが良いでしょう。
痛風の患者の60％には、
肥満があり、肥満度が大きいほど尿酸値は高くなるといわれています。適切な食事量・食事内容を保ち、よく歩き、標準体重を守ることが大切ということですね。
終わりに
尿酸値が高いとなりやすい痛風・腎障害・痛風結石・尿路結石。
辛い思いをする前に、尿酸値が上がらないように、また、高い場合は改善されるように、食生活（特にビール）や運動量に少し気を付けていきましょう。
